2011-01-01から1年間の記事一覧

職務質問の技法と違法

『警察公論』という警察官向けの月刊誌がある。同誌ではこれまでに、職務質問の方法を紹介する連載が何度か組まれている*1。 その一つとして、「警察実務研究会」という実態不明のグループによる「クローズアップ実務 職務質問の要領と着眼点」という連載が…

東京大学新図書館構想

東大付属図書館のページを見ると、「東京大学新図書館構想」が6月末に公表されていた。 「21世紀のアカデミックコモンズ」「ハイブリッドな図書館」といった抽象的な理念が掲げられているが、それらは曖昧模糊としてつかみどころがない。そして、構想には…

公人の名誉について

ネット上では、大震災以後、以前にまして政府に対する批判等がかまびすしい。批判にも様々な質のものがあるが、中傷や罵詈雑言の類は、民主的政治過程のもとでどのように機能するだろうか。長谷部恭男教授は、公共の利益と公人のプライヴァシー・名誉の関係…

ネット規制強化法案(刑事訴訟法第197条第5項等について)

孫正義氏が、「ネット規制強化法案」に抗議されているというので、どのような法律案か調べてみた。 I will stop my tweet for next 3days. Japanese government has passed the law to damage freedom of speech over internet. 11:49 PM Apr 11th TwitBird …

強制処分該当性の判断について

刑事訴訟法判例百選 第9版 (別冊ジュリスト 203)作者: 井上正仁,大澤裕,川出敏裕出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2011/04/09メディア: ムック クリック: 13回この商品を含むブログ (19件) を見る手に取ってみた。いくつか理解や納得ができないところがあ…

芦部憲法第5版

憲法 第五版作者: 芦部信喜,高橋和之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/03/11メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 124回この商品を含むブログ (44件) を見る手に取ってみた。芦部憲法5版では、芦部憲法の審査基準論と近時隆盛しつつあるらしい比例原則…

信教の自由

自衛官合祀訴訟最高裁判所大法定判決(最大判昭63・6・1民集42・5・277)というものがある。 「信教の自由の保障は、何人も自己の信仰と相容れない信仰をもつ者の信仰に基づく行為に対して、それが強制や不利益の付与を伴うことにより自己の信教の自由を妨害…

警職法の役割

shin422氏のブログの文章に触発されて、コメントを投稿させて頂きました。同氏による最新の知財判例から日本政治思想史まで縦横に論ずる学識には、敬服するばかりです。 さて、まず侵害留保原則と強制処分法定主義との関係について。この問題が分かりづらい…